命を支えるもの―塩と鉄の神学:第3回 鉄と血

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「肉の命は血にあるからである。あなたがたの魂のために祭壇の上で、あがないをするため、わたしはこれをあなたがたに与えた。血は命であるゆえに、あがなうことができるからである。」―レビ記17章11節(口語訳)

人の命は血にあり――これは古代から現代に至るまで、人々が直感し、科学的にも明らかにしてきた真理です。

しかし、その血液が命を保つために不可欠な「鍵」があることをご存じでしょうか?

それが「鉄」です。

鉄は、赤血球中のヘモグロビンの中心に存在し、酸素を全身へと運ぶ働きの要となっています。

この“生命を巡らせる鉄”を通して、私たちは、神が命に与えた秩序と律法の存在に気づくことができます。

 

血液に欠かせない鉄のはたらき

私たちが何気なく呼吸している酸素は、肺で吸収されたあと、赤血球の中にある「ヘモグロビン」によって体中に運ばれます。

このヘモグロビンの核心にあるのが「鉄イオン(Fe²⁺)」です。

鉄は酸素と結びつくことで一時的に酸素を保持

血流に乗って体内を巡り各細胞に酸素を届ける

酸素が放出されたあと再び肺へと戻ってくる

この鉄による酸素の運搬こそが、人の命の燃料を循環させるしくみなのです。

 

鉄がなければ命は巡らない

では、鉄が不足すると体はどうなるでしょうか?

疲れやすくなる

息切れがする

思考力・集中力が低下する

免疫力が落ちる

これはまさに、命の巡りが滞っている状態です。

つまり鉄は、「血を通して命を巡らせる、神の創造の律法」として私たちの体に刻まれているのです。

 

神の律法と「鉄の規律」

聖書の中で「鉄」は、しばしば強さ・確かさ・揺るがない支配の象徴として登場します。

「彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治めるであろう。」―黙示録2:27(口語訳)

この「鉄のつえ」は、支配や裁きの象徴であると同時に、神の義と秩序が揺るがないことの象徴でもあります。

鉄は、血の中では命を正しく運ぶための“ガイド”として働き、
聖書では、民を正しく導き、罪を正すための“杖”として描かれています。

命が混乱することなく秩序の中で保たれるために必要なものが鉄なのです。

 

鉄は「厳しさ」ではなく「命の守り手」

時には、「律法」や「規律」という言葉に堅苦しさや抑圧を感じることがあるかもしれません。

しかし、鉄がなければ血が酸素を運べないように、秩序なき自由は命を保つことができません。

血管というルールがあるから血液は体を巡る

鉄という媒体があるから酸素は正しく届けられる

神の律法があるから命は乱れずに守られる

「鉄」はただ硬く冷たいだけではなく、命の仕組みを守るための柔軟で繊細な役割を果たしているのです。

 

信仰における鉄のような在り方

信仰者もまた、鉄のように命を巡らせ、秩序を保つ媒介としての役割を担っています。

愛を言葉に乗せて運ぶ人

平和を乱さずに導く人

見えないところで命の循環を支える人

信仰とは、「熱心である」ことよりも、命を整え、他者を生かす循環の役割を果たすことかもしれません。

 

まとめ:鉄は命に働きかける神の道具

「血の中に命がある」―その命は鉄によって巡っています。

鉄は、律するための杖であると同時に、命を支える導きの軸でもあります。

神が造られたこの体は、命を保つための法則(律法)に従って動いており、その中で鉄は、命を律し、守る神の“目に見えない杖”として働いているのです。

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