創世記と人体の相似性シリーズ第2回 「光あれ」のとき―身体に宿る昼と夜のリズム

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【本記事の趣旨】
神が「光あれ」と語られた創造の第一声は、時間とリズムの始まりでもありました。人の体もまた、光によって目覚め、夜に休む「秩序ある生き物」として創られていることを明らかにします。

「光あれ」のとき―体に宿る昼と夜のリズム

神は「光あれ」と言われた。すると光があった。 神はその光を見て、良しとされた。
― 創世記1章3〜4節(口語訳)

創世記で最初に形あるものとして登場するのが「光」です。

神のことばによって生まれたこの光は、闇を分け、時間と秩序のはじまりを告げるものでした。

聖書の記述にあるように、光の創造は命と秩序の第一歩であり、現代を生きる私たちの体にも、この「光のリズム」は深く刻み込まれています。

 

光は命のスイッチ

人の体には、体内時計(概日リズム=サーカディアンリズム)と呼ばれる仕組みがあります。

これはおよそ24時間周期で繰り返される「眠気・覚醒・ホルモン分泌・体温変化」などをコントロールする生物学的な時計です。

このリズムの最大の調整役が太陽光です。

特に朝の光を目にすることで、脳の視交叉上核という部位が刺激され、体内時計が「リセット」されます。

「光あれ」―この言葉は、今この瞬間も、私たちの体の奥で繰り返し宣言されているのです。

 

光がホルモンを変える

太陽の光は、脳内の神経伝達物質を直接コントロールしています。

朝の光:セロトニン(幸福感や意欲を司るホルモン)を活性化し、目覚めとやる気を促します。

夜の暗さ:セロトニンがメラトニン(睡眠ホルモン)に変換され、深い眠りへ導かれます。

この「光→セロトニン→メラトニン」というリズムは、光と闇の交代に呼応した神の設計とも言えるでしょう。

 

体温と光の関係:熱を蓄え、静かに放つ

光には体温や代謝を調整する役割もあります。

日中、太陽の光を浴びると、体は熱を蓄え、エネルギー代謝が活発になります。

夜になると体温がゆっくり下がり、その熱を水分(体液)を通して外に放出します。

これはまさに、大地が日中に熱を蓄え、夜に熱を放出して冷えていくのと同じ自然の原理です。

 

光と闇の調和

創世記1章4節では、神は光を「昼」と名づけ、闇を「夜」とされました。

これは、「光」と「闇」が対立しているのではなく、共に秩序を形づくる一対のものであることを示しています。

私たちの体も同じです。

昼:動くための時間。交感神経が優位になり、活動モードへ。
夜:修復と回復の時間。副交感神経が働き、眠りへと導かれる。

つまり、「光あれ」の言葉がもたらしたのは、ただの明るさではなく、“リズムある命の流れ”そのものです。

※光と闇の関係は善と悪の関係とは異なります。同じ時刻で地球の半分は昼、半分は夜であるように、光と闇は一つの存在の中で共存することができますが、善と悪は目的が正反対なので共存することはできません。

 

創造のリズムは、いま私たちの体の中に

朝、光を浴びて体が目覚める
昼、光と共に働き、考え、動く
夜、光が消えるとともに、体は内側へと戻っていく

このような1日のサイクルは、創世記の最初の「昼と夜」の区別と一致しています。

神が定められたリズムは、宇宙と私たちの体の両方に等しく流れているのです。

 

まとめ:光は秩序のことば、命の拍動

「光あれ」という神の声は、混沌に秩序を与え、生命が整うための“拍動”を始めさせる宣言でした。

私たちの体はそのリズムを忘れていません。

朝の光に反応して目覚め、夜の静けさの中で再び形づくられる――私たちの一日一日は、小さな創世記の繰り返しなのです。

 

🌿 次回予告:
第3回 天と地のわかれ目―精と肉の調和を求めて

創世1章6節では、神が「水の間におおぞらがあって、水と水とを分けよ」と語られます。次回は、天と地、肉体と霊、外と内の「境界」と「統合」の神秘について、呼吸をテーマに探っていきます。

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