み言と「統一思想」から見た「原力」と「万有原力」の関係

この記事は約5分で読めます。

 

1.み言と「統一思想」から見た「原力」と「万有原力」の関係

(1)「原力」と「万有原力」の関係について

「統一思想」では、「原力」と「万有原力」の関係を次のように説明しています。

 宇宙万物はいったん創造されたのちにも、絶えず神から一定の力を受けている。被造物はこの力を受けて個体間においても力を授受している。前者は縦的な力であり、後者は横的な力である。統一思想では前者を原力といい、後者を万有原力という。
 ところでこの原力も、実は原相内の授受作用、すなわち性相と形状の授受作用によって形成された新生体である。具体的にいえば、性相内の心情の衝動力と形状内の前エネルギー(PreEnergy)との授受作用によって形成された新しい力が原力(Prime Force)である。その力が、万物に作用して、横的な万有原力(Universal Prime Force)として現れて、万物相互間の授受作用を起こすのである。したがって万有原力は神の原力の延長なのである。(『統一思想要綱』p57~58)

 ここで使われている「縦的、横的」という表現は、それぞれ「原因的、結果的」という意味合いでも用いられています。文鮮明先生も「万有原力は授受作用を起こす力」と明言されています(『文鮮明先生御言選集』293-11 1998.5.1)。

 つまり、「原力」とは、神様から直接に被造物に与えられる縦的・原因的な力であり、それにより被造物同士の間で起こる力、すなわち結果的・横的な力が「万有原力」です。

 なお、「授受作用」とは、主体と対象が互いに与え合い、受け合う作用のことで、人間においては「互いのために生きること」として表れます。

 この授受作用が物理的に現れるとき、『原理講論』(p55)にあるように「主体と対象とが授受作用をするようになれば、その対象は主体を中心として互いに回転して、円形運動をするようになる」と説明されています。つまり、授受作用は回転運動として現象化するのです。

(2)三大祝福を完成させる力も「原力」

 先に引用したみ言にある通り、「原力」は愛を中心とする力です。「統一思想」ではこの原力に関して、さらに次のように解説しています。

 神の創造において、本形状である前エネルギーから授受作用(後述)によって、二つの力(エネルギー)が発生すると見る。その一つは「形成エネルギー」(Forming Energy)であり、他の一つは「作用エネルギー」(Acting Energy)である。
 形成エネルギーは直ちに粒子化して物質的素材となり、万物を形成するのであるが、作用エネルギーは、万物に作用して、万物相互間に授け受ける力(例:求心力と遠心力)を引き起こす。その力を統一思想では原力(Prime Force)と呼ぶ。そして原力が万物を通じて作用力として現れるとき、その作用力を万有原力(Universal Prime Force)と呼ぶのである。
 本形状から授受作用によって形成エネルギーおよび作用エネルギーが発生するとき、愛の根源である心情が授受作用の土台となるために、発生する二つのエネルギーは単純な物理的なエネルギーではなく、物理的エネルギーと愛の力との複合物なのである。したがって原力にも万有原力にも、愛の力が含まれているのである(文先生は一九七四年五月の「希望の日晩餐会」での講演以後、しばしば「万有原力にも愛の力が作用する」と語っておられる。)(『統一思想要綱』p34)

 このように「原力」とは、単なる物理的な力ではなく、心情的な愛の力を基礎とした形成エネルギーと作用エネルギーの結合体です。形成エネルギーによって物質の粒子が作られ、作用エネルギーによって粒子間に働きかけ、授受作用を引き起こすのです。

 その結果として、生命の存在と繁殖、そして活動に必要な力が生じます。この力によって人間は個性の完成、子女の繁殖(家庭の完成)、さらには万物主管の完成へと進んでいくことができます。

 つまり、私たちが三大祝福を成就するために必要な原動力こそが「原力」なのです。

2.「原力」と地球の自転について

(1)なぜ地球は回転し続けるのか?

 たとえば、何かの物体を机の上で回すと、机との摩擦や空気抵抗によって徐々に回転が遅くなり、最終的には止まってしまいます。

 それにもかかわらず、地球の自転は何千年も止まることなく続いています。これはなぜでしょうか?

 一般的な科学的説明としては、「地球は他の物体と直接接触しておらず、また宇宙空間には空気抵抗が存在しないため、誕生当初の回転がそのまま維持されている」とされています。

(2)中が固体と液体の物体を回すと?

 ゆで卵と生卵を回してみると、ゆで卵はよく回りますが、生卵はうまく回りません。これはよく知られた違いです。

 その理由は、ゆで卵の中身は固体化しているため、殻と一緒に中身も回転しますが、生卵は中身が液体のため、殻と中身が別々に動き、中身が殻の動きを打ち消すような逆向きの力を生み出すからです。

(3)地球の内部構造はどうなっている?

 地球の内部は、大きく分けて内核、外核、マントル、地殻の4層に分かれています。中心部の内核は固体ですが、その外側の外核は液体であり、さらにその外側のマントルは固体とはいえ、高温のためにゆっくりと動いています。

 つまり、地球の内部構造は、生卵に似た特徴を持っているのです。このような構造である以上、回転に対して内部からブレーキとなるような逆向きの力が働くと考えられます。

 したがって、本来であれば地球の自転は少しずつ減速していくはずです。

(4)地球は「原力」によって回転を続けている

 それでもなお、地球が自転を維持しているのは、逆方向に働く力を上回る、持続的な力が作用しているからです。その力こそが「原力」であると考えられます。

 すでに述べたように、文鮮明先生は「万有原力は授受作用を起こす力」と語られています(『文鮮明先生御言選集』293-11 1998.5.1)。

 したがって、地球の自転もまた、地球内部の授受作用によって生じる回転運動であり、その起点には「原力」があるのです。

 そして、「原力」は神の愛の力であるため、地球は真の愛によってその回転運動を維持し続けているとも言えるでしょう。

 仮に地球が自転せず、公転のみをしていたとしたら、地球の磁場は消失し、太陽風や宇宙線が地表に直接降り注ぐことになり、生命や自然環境に深刻な影響が及ぶでしょう。

 このように、私たち人間も、自然界のすべての存在も、神様の「原力」すなわち真の愛の力によって生かされ、守られているのです。

タイトルとURLをコピーしました