【本記事の趣旨】
神が「時のしるし」として太陽と月と星を置かれたように、人間の体も時を刻む存在です。私たちの成長、変化、季節のサイクルは、創造のリズムと密接に重なっていることを読み解いていきます。
光と時のしるし―内なる季節と成長のサイクル
神はまた言われた、「天のおおぞらに光があって昼と夜とを分け、しるしのため、季節のため、日のため、年のためになり、 天のおおぞらにあって地を照らす光となれ」。―創世記1章14~15節(口語訳)
創造の4日目、神は天に「光るもの」―太陽、月、そして星々を置かれました。
それらは単に明るさをもたらすだけでなく、「時のしるし」として、季節、日、年の秩序を告げるものとされました。
この「光と時のしるし」の働きは、実は私たちの体の中にも、静かに、しかし確実に刻み込まれています。
太陽がつくる「外のリズム」、体が刻む「内のリズム」
神が天に光を置かれたのは、昼と夜を分け、時の流れを知らせるためでした。
現代の科学では、これが「サーカディアンリズム(概日リズム)」として知られています。
人間の体には、次のような時間に従った生体機能の変化があります。
朝:体温が上がり始め、血圧上昇、目覚めの準備
昼:集中力・代謝がピークに達する
夕方:体温が最高になり、運動能力が高まる
夜:メラトニンが分泌され、深い睡眠へと導かれる
これらのリズムは、太陽の光と連動して自然に動いているのです。
月と「内なるリズム」
太陽だけでなく、月もまた「時のしるし」として働いています。
特に女性の体は、月経周期(約28日)を通して、月の満ち欠けと呼応するようなリズムを持っています。
新月:新しいサイクルの始まり、排卵準備
満月:排卵、感情の高まり、直感の鋭さ
下弦:整理、解放
次の新月へ:静けさと再生
これは、私たちの体が宇宙の秩序と響き合って生きているという事実を物語っています。
成長、老い、変化―内なる「季節」
創世記では「季節、日、年」のために光が置かれたと語られています。これは私たちの体にも見事に重なります。
幼年期:芽吹き、吸収の季節
青年期:成長と繁栄、実りの季節
壮年期:安定と収穫
老年期:葉を落とし、静けさと熟成へ
こうした人生のサイクルもまた、神が天地創造の中で定められたリズムの反映と言えるのではないでしょうか。
内なる時を見失わないように
現代社会は、外的な時間に縛られすぎています。
スケジュール
締切
デジタル機器からの絶え間ない通知
その結果、「内なるリズム」や「体からのサイン」に気づかないまま、無理を重ねてしまうことが多くなっています。
しかし、私たちは本来、「太陽と月と星を見上げ、体の奥の時を感じながら生きる存在」だったはずです。
そのリズムは、神が天地に与えられた秩序と、私たちの命とをつなぐ大切な導きなのです。
まとめ:神が与えた「時のしるし」は体の中でも生きている
天に置かれた光が「時」を告げ、命のリズムを導いています。
神が創造の中で光を置かれたのは、宇宙と私たちが同じ時を刻みながら生きるためです。
「今、どんな“季節”を自分は生きているのか?」
その問いに耳を澄ませることが、神の秩序と再びつながる一歩になるのかもしれません。
🌿 次回予告:
第5回:命のかたち―土の器に息を吹き込まれて
次回は、神が土のちりで人を形づくり、命の息を吹き込まれたという創世記2章の記述をもとに、人間の体に刻まれた「神のかたち」を探っていきます。