ご存じのように、「家庭連合」では、2025年1月31日、韓氏オモニの指示により祈祷の結び(「家庭連合」では「締めくくり」と表記)が変更されました。
この変更について、日本の「家庭連合」指導者たちは、真のお父様のみ言や聖書の聖句をあげながら解説しています。
今回は、この解説に対する疑問点と、今も「母子協助時代」に執着する韓氏オモニと「家庭連合」指導者たちの姿を明らかにしたいと思います。
(1)変更された祈祷の結び
最初に、今回変更された祈祷の結びを確認しておきましょう。
【2025年1月31日に変更された祈祷の結び】
「ホーリーマザー・ハンに侍る祝福家庭○○○○の名によって、感謝の祈祷をいたします。アーヂュ」
【今までの祈祷の結び】
「祝福中心家庭○○○の名でご報告します。アージュ」
変更点
1.「ホーリーマザー・ハンに侍る」を冒頭に追加
2.「祝福中心家庭」を「祝福家庭」に変更
3.「報告」を「祈祷」に変更
(2)祈祷の結び変更に関する日本の「家庭連合」指導者の解説
今回の祈祷の結び変更について、日本の「家庭連合」は、下記のサイトで解説しています。
■祈祷の締めくくり「ホーリー マザー・ハンに侍る」について
https://trueparents.jp/?page_id=7861
このサイトによると、祈祷の結びが変更されたことについて、次のような質問があったようです。
【質問】2025年1月31日(天一国13年天暦1月3日)、祈祷の締めくくりが「ホーリー マザー・ハンに侍る祝福家庭」となったことについて、どのように理解したらよいでしょうか?
この【質問】に日本の「家庭連合」指導者は、【上記の質問に対する見解】と題して回答しています。
その中で、今回の祈祷の結び変更の根拠として(※「根拠」と明言はしていませんが、最初に引用しているので、ここでは最も重要視されているみ言と言えます)、1994年11月27日に語られた真のお父様のみ言を引用しています。
お母様を中心として皆さんが一体になっていかなければならない時が来ました。もう先生がいなくても、お母様が代わりにできる特権を許諾したというのです。お父様がいない時は、お母様のことを思わなければなりません。これからは可能な限り、いつでも、どこに行ったとしても、子供たちを中心として家庭と家庭がつながることを、お母様がたくさん行うでしょう。そのように理解して、先生の代わりにお母様に侍る心を持ち、祈祷もそのようにするのです。
今までは先生を愛してきましたが、これからはお母様を愛さなければなりません。これからはお母様の時代に入っていくことを理解して、特に女性たちはそのようにしなければなりません。ここにおいて、先生が第一教主であれば、お母様は第二教主であると世界的に宣布し、天地に宣布します。(『文鮮明先生御言選集』265-310, 1994.11.27)
そして、次のように2つの点を強調してコメントしています。
このみ言で分かることは、これからは「お母様の時代に入っていく」ということです。そういうお母様の時代圏においては、「先生がいなくても、お母様が代わりにできる特権を許諾した」と語っておられ(①)、お父様は「そのように理解して、先生の代わりにお母様に侍る心を持ち、祈祷もそのようにするのです」として、「ホーリー マザー・ハンに侍る祝福家庭」の名で祈る時代が到来することを、あらかじめ語っておられたと言えます(②)。
このように、「お母様の時代に入っていく」こと、そして「先生の代わりにお母様に侍る心を持ち、祈祷もそのようにするのです」については、今回の祈祷の結び変更をあらかじめ語られたものとして、ここにみ言の根拠があると主張しています。
(3)1994年11月27日の真のお父様のみ言について
①「お母様の時代」とはいつまでか?
真のお父様は、次のみ言で「女性の時代」はお父様が80歳になられるまでの7年間であり、その期間は真の母の話を聞いて一つにならなければならないと語られています。
あなたたちは先生の話を聞きたいですか、奥さんの話を聞きたいですか。先生の話を聞きたいのですか。それではいけません。あなたたちは天使長です。エバを誘惑したその反対に、エバの話に絶対服従、絶対屈伏しないと復帰の道が生まれてきません。3年間は、男性は女性に絶対服従しなさい。その話、あなたたち聞いていますか、聞いていませんか。(「聞きました。」)先生は間違いなくきちんと言いました。それで、あなたたち男性は先生の話を聞きますか、女性の話を聞きますか。(「女性の話です。」)そうです。間違ったらだめです。嫌でも聞かなければなりません。蕩減復帰です。
だから女性の時代に至っています。それは7年間です。先生が80歳になるまで、今年から7年です。今から7年間において、世界を一つにしなければなりません。それはどこを通してですか。お母様と女性を一つにしなければなりません。だから、すべての女性は絶対にお母様の話を聞かなければなりません。(1994年1月2日、韓国の漢南洞公館で行われた「愛勝日」の式典後、日本の教会幹部に日本語で語られたみ言)
このみ言の中に「今年から7年です」とありますが、これは1994年1月2日のみ言なので、「7年」というのは、1994年から2000年までの7年です。
そして、「お母様の時代」や「女性の時代」とは「母子協助時代」のことで、その時代が2000年までだったことが次のみ言からも知ることができます
今の時について少し話をしましょう。今、摂理歴史は、「母子協助時代」を経て「父子協助時代」に来たので、アメリカと韓国が一つになれば、全世界がその方向に従っていくことができる時代になったのです。母が必要になれば、父が母を立てることができ、息子を立てることができる時なので、内外に解放され得る立場です。ですから、母の復帰時代は過ぎていったことを知らなければなりません。(『文鮮明先生御言選集』346-221, 2001.7.1)
このみ言が語られた2001年7月1日の時点で、すでに「母子協助時代」は過ぎており、再臨主を中心とする復帰摂理は「父子協助時代」に移っていました。
②「祈祷もそのようにする」とは?
次に、「そのように理解して、先生の代わりにお母様に侍る心を持ち、祈祷もそのようにするのです」というみ言ですが、文脈からして「家庭連合」の解釈には無理があります。
ふつうに読めば、「いつもお母様に侍る心を持ち、祈祷もお母様に侍るという心で祈る」と解釈するのが自然です。
さらに重要なことは、真のお父様が祈祷の結びについて変更の指示をされるときは、もっと明確な指示をされるということです。
(4)真のお父様による祈祷の結び変更指示の実例
真のお父様は、祈祷の結びを次のように変更してこられました。
●「真の父母の勝利圏を祝福で受け継いだ祝福家庭○○○の名でお祈りします。アーメン」(1999年9月14日)
⇒「真の父母の御名」から「真の父母の勝利圏を祝福で受け継いだ祝福家庭○○○の名」に改定。
●「祝福中心家庭○○○の名でお祈りします。アーメン」(2000年10月27日)
⇒「祝福家庭○○○」から「祝福中心家庭○○○」に改定。
●「祝福中心家庭○○○の名でご報告します。アーメン」(2001年1月13日)
⇒「祈り」から「報告」に改定。
●「祝福中心家庭○○○の名でご報告します。アージュ」(2006年9月14日)
⇒「アーメン」から「アージュ」に改定。
そして、祈祷の結びについて語られた2001年1月16日のみ言をご覧ください。
今年(2001年)1月13日のその日から、祈祷の内容が変わりました。「祝福中心家庭、誰々の名によって…」祈るのです。それをはっきりと知らなければなりません。その前はどのように祈りましたか。(「真の父母様の勝利圏を祝福によって受け継いだ祝福家庭、誰々の名によって祈りしました」)。そうです。父母様の祝福を受けた誰々の家庭です。それはサタン世界と区別されます。サタン世界と混ざりません。(中略)
その前には何の名によって祈りましたか。(「真の父母様のみ名によって祈りました」)。自らの名前で祈ることができる、自らの主体性がありませんでした。そこから、真の父母様の勝利圏を祝福によって受け継いだ誰々の名前で祈るように変わったのです。それはサタン側と完全に断絶したということです。内的にだけでなく、外的にも何の関連もありません。
その次には何ですか。「祝福中心家庭」と言います。「祝福中心家庭」です。「祝福中心家庭」は、堕落世界と何の関連もありません。アダムとエバが堕落する以前に、神様の心情世界と連結していた、そのような立場だというのです。それが「祝福中心家庭」です。それは、神様の創造理想が完成した家庭として、堕落していないアダムの家庭を代身するものです。
そのような立場では、祈祷の代わりに報告を捧げるのです。完成したアダムの家庭では祈る必要はなく、報告を捧げればよいのです。毎日報告を捧げながら理想世界を成し遂げていくのが、完成したアダム家庭の進んでいくべき道です。(『文鮮明先生御言選集』343-106, 2001.1.16)
このように、祈祷の結びについての変更指示はすべて明確なものばかりであり、真のお父様が最終的に定められたのは、「祝福中心家庭」が「報告」し、「アージュ」と唱えるということです。
※「アージュ」(我住)
天地を完成した主人の代身の立場に立ち、天に侍って生きることを決意誓約するという意味。(2006年9月14日のみ言より)
(5)今も「母子協助時代」に執着する韓氏オモニと「家庭連合」指導者たち
ここでもう一度、今回の変更内容を確認しておきましょう。
【2025年1月31日に変更された祈祷の結び】
「ホーリーマザー・ハンに侍る祝福家庭○○○○の名によって、感謝の祈祷をいたします。アーヂュ」
【今までの祈祷の結び】
「祝福中心家庭○○○の名でご報告します。アージュ」
変更点
1.「ホーリーマザー・ハンに侍る」を冒頭に追加
2.「祝福中心家庭」を「祝福家庭」に変更
3.「報告」を「祈祷」に変更
これらの変更を簡潔に言えば、祝福家庭が中心ではなく「ホーリーマザー・ハン」が中心になり、「報告」から「祈祷」になったということです。
「祝福中心家庭○○○」の名で祈るようになったのが2000年10月27日であり、「祈祷」から「報告」になったのが2001年1月13日の「神様王権即位式」からです。
ここで重要なことは、再臨主を中心とする成約時代の復帰摂理は、2000年11月11日から「父子協助時代」に入っているという事実です。
上の(4)でご紹介したみ言にあるように、「神様王権即位式」以降、真のお父様は、「父子協助時代」の祈りの結びを「祝福中心家庭○○○の名でご報告します」と定めていらっしゃるのです。
ですから、今回の韓氏オモニによる祈祷の結びの変更指示は、再臨主と天の三代王権を中心とする復帰摂理に逆行するものであり、祝福家庭をかつての「母子協助時代」に逆戻りさせるものです。
もしこのとおりに祈れば、自分は今も「母子協助時代」に留まっていることを宣言し、表明することになります。
韓氏オモニと日本の「家庭連合」指導者たちは、今も1990年代の「母子協助時代」が続いていると考えているのではないでしょうか?