1.はじめに─なぜ光速度(光の速度)が世界の構造を決めるのか
創世記の1章において、神が最初に創造したとされるのは「光」であり、「光あれ」という宣言とともに世界の秩序は始まりました。
この光は、単なる可視光やエネルギーではなく、宇宙全体の基準となる秩序の源として描かれています。
現代物理学が明らかにした光速度の役割を踏まえるなら、創世記の光が象徴する意味はさらに深まります。
光速度は、物質が存在し、情報が伝達され、時間が流れる世界の限界であり、神が造られた宇宙の構造そのものに直結する基準線です。
本稿では、光速度の意味を相対性理論と聖書の視点の両方から捉え直し、霊界と地上界がどのように区別されるのかを考察します。
2.特殊相対性理論が示す「光速度の絶対性」
アインシュタインの特殊相対性理論が示した最も衝撃的な事実の一つは、「光の速度が宇宙の絶対的な上限である」という点です。
どれほどエネルギーを与えても、質量を持つ物体は光速度に達することができず、光速度を超えることは絶対に不可能とされます。
光速度は、単なる物理的な数値というだけではなく、宇宙がどのような構造をもって成立しているかを定める基本的な基準そのものです。
時間の流れも、空間の伸び縮みも、この光速度を基準として決まり、すべての物理現象はこの限界を前提として働きます。
光速度は、宇宙の内側で働くすべての存在が従わなければならない普遍的な基準であり、創世記における光の創造が象徴する意味と非常に深く結びついています。
3.光速度を超える領域は因果律が成立しない世界
光速度を境にして、世界はまったく異なる性質を持つ領域に分かれます。
光速度以下では、因果関係が成立し、時間には前後があり、熱や情報は必ず一方向に流れます。
しかし光速度を超える領域では、これらの法則が破綻します。因果の順序が曖昧になり、時間の流れが一定でなくなり、空間の概念も失われます。
物理学的には「非時間的領域」と呼べる世界であり、私たちが知る物理法則は、そのままでは適用できません。
これは、聖書が語る霊の世界の特徴と非常によく一致します。
聖書は「神の国は、見られるかたちで来るものではない」(ルカ17:20)、「主にあっては、一日は千年のようであり、千年は一日のようである」(ペテロの第二の手紙3:8)と語り、霊的領域が時間の制約を受けない世界であることを示唆します。
4.霊界を光速度を超える世界として位置付ける
創世記の光の創造を世界に基本的な秩序と枠組みが与えられた出来事と見るなら、霊的領域は光速度の外側──つまり光速度によって規定される物理法則の外側に存在する世界として理解できます。
霊的領域における神の働きは、地上の物理的な距離や空間配置に制約されません。
聖書は、「主は言われる、人は、ひそかな所に身を隠して、わたしに見られないようにすることができようか。主は言われる、わたしは天と地とに満ちているではないか」(エレミヤ23・24)と語り、神の臨在が場所や距離に縛られないことを明らかにしています。
光速度以上の領域では、時間や空間が直線的な秩序を保たないという物理的特徴がありますが、これは、祈りや霊的作用が距離を超えて届くという体験的現実とも一致します。
つまり霊界は、光速度の枠組みを超える非時間的・非局所的世界として理解することができ、特殊相対性理論の枠内でも矛盾せずに位置付けることが可能です。
5.地上界は光速度以下で動く世界であり、物質・時間・空間が支配する
一方、地上界は光速度がすべての法則の基準となる世界です。すべての物質は光速度以下で移動し、時間は一方向に流れ、因果律は厳密に成立します。
「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある」(伝道の書3:1)という言葉が示すように、地上界は時間の中に存在し、物質的制約の中で働く世界です。
聖書が語る地上界の制限は、光速度以下の世界の特徴と完全に一致し、人間の身体、物質、歴史はこの法則の中で動いています。
しかし、人間には心があり、霊的なものへのアクセスも可能です。これは地上界が光速度以下の物質世界でありながらも、霊的領域との接点を持つように造られていることを示しています。
6.「光あれ」は境界線の創造であり、宇宙の二分構造の始まり
創世記における「光あれ」は、単に光源の創造やエネルギーの発生を意味するだけではありません。
むしろこの言葉は、光速度を宇宙の基準線とし、それによって二つの世界を分ける構造の創造を意味しています。
光速度以下の物質世界(地上界)と、光速度を超える霊的世界(霊界)という二つの領域の境界が、ここで初めて確立されたと理解できるのです。
「神はその光を見て、良しとされた」(創1:4)という言葉は、光という基準が、世界の秩序を形づくる出発点として置かれたことを神が良しとされたという意味を持ち、ここで定められた基本的な基準のもとで、世界の構造が組み立てられていくことを象徴しています。
この境界線こそが、人間の存在が霊と肉、心と体の二重構造である理由であり、祈り、霊的作用、量子もつれのような現象の理解にも深く関わっています。
7.結─光速度は被造世界の構造を規定する基準
光速度は、地上世界の物理法則の成り立ちに深く関わり、霊界との境界を画する、被造世界の構造を規定する根本的な基準です。
「光あれ」とは、神が宇宙に秩序を与え、霊界と地上界を分け、人間の存在を二次元的に構造化した決定的瞬間でした。
光の創造は、世界の三層構造(霊界・量子層・地上界)の基礎を築き、現代物理学が明らかにした光速度の重要性と深く調和しています。
次回の第4回では、この二分構造に量子層がどのように位置づけられるか、そして霊界と地上界をつなぐ中間層としての量子世界の役割を詳述していきます。

