『人類の犯罪者ルーシェル』第2章1ルーシェルによる疾病(1)

第2章 ルーシェルによる疾病

1 ルーシェルによる疾病(1)

地上には数えきれないほどたくさんの病気があります。そして、その病名もまた多いのです。それでは、ルーシェルは、どのようにして人間を病気にし、どのようにして死の境地にまで追いやるのでしょうか。

一つの例を挙げてみましょう。がんは地上で最も恐ろしい病気であり、その種類も様々ですが、胃がんという病気はなぜ生じるのでしょうか。

人間にとってとても重要な器官が胃腸です。人体構造の中で何一つ重要でない器官はありませんが、特に胃腸は、口から入った食べ物を消化し、保管するところです。この多くの栄養を保管して人体に供給しなければならない胃腸が故障すると、人体構造には深刻な問題が生じるだけでなく、生命の維持にも甚大な支障をきたします。そうなれば、人体構造への栄養供給が不均等になり、人体が衰弱して病原菌に対する抵抗力がなくなります。

胃がんという病気は、概して飲食物の過食によって胃腸を酷使することから生じる病気です。それ以外にも、人体のあらゆるところで共通することですが、神経を多く使ったり、細かい小さなストレスがたまると、胃の収縮運動がうまく機能しなくなるので消化ができず、飲食物がたまってそのかすが残るのです。

このように、いろいろと酷使される胃腸ですが、胃の中の食物は、授受作用によって均衡を保つようになっています。そのおかげで人体の健康が維持され、人間は生きていけるのです。

例えば、飲食物をとても塩辛くして食べると、身体器官が渇きを覚え、水を飲むことによって塩辛い成分を蒸発させます。また、辛い物を多く食べた場合は、胃が痛くなり、「これ以上辛い物を入れるな」という信号を送って辛い物を食べないようにするのです。このように人体構造の相互作用は絶妙です。

ここで私たちは、神様の人間創造の神秘を発見するのです。目に見えるものを陣頭指揮するのも大変なのに、見えない人体構造は、誰の指示を受けるわけでもないのに、神秘的なほどうまく作用しています。人間を愛する神様のその愛に対して、私たちは重ねて感謝しなければなりません。

ところが、このような人体構造の機能を妨害し、人間の肉体を壊す歴史的な犯罪者がいます。それがまさしくルーシェルです。ルーシェルは、よく機能する胃だとしても、機能することができないようにつかんだり、切り刻んだり、ねじったり、つねったりします。こうなると、胃がちくちく痛んだり、潰瘍ができたり、穴が開いたりして様々な症状を誘発します。

このような人は、飲食物を食べることができず、食べたとしてもうまく消化できないのです。それであちこちの病院に行ってみるのですが、このようにして生じた病気はなかなか治りません。それで人は、「これは神経性のものだ」といって慢性病だと思い、常に苦しい思いをしながら生きることになるのです。

人間の肉体が故障するとき、「痛い」と感じるのは本当に不思議なことです。痛いと感じなければ治療しませんが、痛いと感じるので治療に神経を使うようになるのです。

それでは、この病気をどのように治療すべきでしょうか。この病気が発病するきっかけについては、様々な側面から挙げることができます。しかし、重要なことは、病気の根本要因を自ら探しださなければならないということです。発病の根本原因が分かれば、50パーセントは治療したのと同じになります。

だからといって、ルーシェルがもたらした病気を、物理的な治療をせずに祈ることだけに依存しなければならないのでしょうか。そのようにすれば、愚かで道理の分からない愚鈍な信仰となるでしょう。それは神様の胸により一層の痛みをもたらすことです。

現代医学は神様が祝福されたものです。ですから、病気を治療するには、当然のこととして医学に頼らなければなりません。しかし、ここで最も重要なことは、ルーシェルによる根本要因を処理しなければならないということです。「なぜこのような病気になったのか」という根本要因を探し出し、悔い改めるべきことがあれば悔い改め、正すべきところがあれば正さなければなりません。このようにしてこそ、ルーシェルがその病気から離れるのです。

ところが、このような事実を全く考慮しないまま、長期間病院にばかり通いつめたり、祈ってばかりいたのでは、その病気の治療は難しいのです。もちろん祈るだけで治る場合も少なくありません。病気の症状によっては、絶対的な信仰だけで治る場合がないわけではありません。

それでは、現代人の最も賢明な判断とは何でしょうか。それは正しい考えと深い信仰を持ち、成約時代のみ言を自ら実践し、神様に侍って生きていくことです。私たちは、神様の子女として成熟した信仰者の姿勢を持たなければなりません。今まで霊界に通じる多くの人たちが、その誤った考え方や判断のゆえに、周りの多くの人たちを暗闇の淵へと導いた例が少なくありません。

神様は、人間に「天地のあらゆるものの中でおまえが最高だ」と言って育ててこられました。しかし、中には、霊界に通じる人たちの「甘言異説(かんげんいせつ:口車)」にまどわされ、誤った所に流されていった事例が多くあります。これは本当に心が痛むことです。ですから、病気になったとき、あわてることなく祈る姿勢が必要です。私たちは、信仰の年輪を重ねるほど、自らの問題を自ら解決していく成熟した信仰の姿勢を持たなければなりません。

私たちはみな、地上で真の父母様の教えに従って精誠を尽くして実践しなければなりません。そのようにしながら、混沌と空虚の中にいる自分自身をしっかりとつかんで、ルーシェルの血統を永遠に根絶させることに全力投球しなければなりません。(1999年2月27日)

李相軒先生が霊界から送ったメッセージ『人類の犯罪者ルーシェル』より

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