天和堂-心身統一と家庭和合の修練 第3章(3)「心身統一」訓練の準備と始めの祈祷

この記事は約8分で読めます。

 目次

第1章 「心身統一」とその必要性
 (1)「心身統一」訓練の前提となること
 (2)なぜ心と体の統一が必要なのか
 (3)沈黙に耳を傾けることでなぜ沈黙が破れるのか

第2章 「思いの列車」から統一主義へ向かう道
 (1)「思いの列車」から降りて「今」に生きる
 (2)心の麻酔薬依存からの解放
 (3)私と私自身-分離主義から統一主義へ
 (4)真の姿になる道-「心身統一」訓練

第3章 「心身統一」訓練
 (1)心身の分裂状態を知るゲーム
 (2)訓練を始める前に
   ①環境
   ②姿勢
    1)座る場所
    2)足
    3)手
    4)背中
    5)頭
    6)目
    7)口
    8)精誠の「誠」
   ③呼吸
   ④修練時間
 (3)「心身統一」訓練の準備と始めの祈祷(←本記事の内容)
 (4)「心身統一」訓練
   ①8つの予備段階訓練
   ②省察
   ③訓練
   ④献身
   ⑤結論:個人的段階

第4章 夫婦の和合
 (1)自分の変化が他者の変化を誘導
 (2)「思いの列車」に命名する
 (3)幸福に連結する「相手の立場で考える」訓練
 (4)まず共感して聞くこと
 (5)貞節
 (6)すぐに反応しないで聞き入ること
 (7)夫婦合同の傾聴訓練
   ①葛藤の分かち合い
   ②お互いの力になってあげる
   ③相手の立場で読む
   ④相手の感情を受け入れる
   ⑤葛藤を認める
   ⑥感謝の祈祷
   ⑦瞑想と沈黙

第5章 子女との和合
 (1)子女たちへの二つの徳目
 (2)一人一人に個人的関心をもつ
 (3)宝のような子女たち
 (4)子どもたちと一緒にいるときの霊的訓練

最後に-常に完全でいることはできない

※本記事は、『天和堂-心身統一と家庭和合の修練』(文亨進著)を改訳し、抜粋して再編集したものです。


第3章 「心身統一」訓練

 (3)「心身統一」訓練の準備と始めの祈祷

 心と体の統一は、驚くべきものであり、恐ろしいものです。私たちは修練をしながら、生まれ変わるために死の道を訪ねていきます。そうすることで、ねたみと嫉妬で欲を張ったり、利己的に人を憎んだり、計算的ですべてを手に入れようとしたりする堕落性の性格(私はこれを「利己的な自我」と呼びます)が消えていきます。このような利己的な自我が消え、本心と私たちの心の中の良心が生きて動かなければなりません。私たちの利己的な自我は必ず死ななければならず、私たちの真の自我(神様と一つになった自我)が生まれなければならないのです。

 さあ、修練を始める前に準備運動をしてみましょう。

 真のお父様は、「数千、数万年の間、しつこく血統に根ざしてきた堕落性を脱ぎ捨てることがどうして簡単なことでしょうか? 人間の努力だけでは絶対に不可能なことです。神様を縦的な軸として立てて絶対信仰の基準で侍り、生涯身もだえしても難しい闘いです。自分の父母や子女以上に絶対的に愛する境地で、神様を真の父母として侍っていかなければ、考えることもできないことです。」(2004年3月23日、ワシントンDC アメリカ国会議事堂で語られた真のお父様のみ言「平和王国時代宣布」より)と語られました。

 私たちは、自分の力だけでは堕落性を脱ぐことができないことを知りました。ですから、まず基盤を築かなければなりません。修行する前に、「心と体を統一できる(自分の縦的な軸として神様に侍ることができる)力を下さり、自分の中にある利己的で自己中心的な自我をなくし、私の真の自我を通して、私の人生に、私の家庭に、氏族に、社会に、国家に、世界に、宇宙に、再び戻って神様にまで実体的に侍ることができるようにしてください」と切に求める祈りを捧げなければなりません。言い換えれば、最初から最後まで神様が中心にならなければならないということです。

 しかし、さらに深い基盤を築く必要があります。「神様と真の父母様が私の代わりにすべてのことをやってください」とお願いすることはできないからです。私自身を投入しなければなりません。人類全体に向かって真の父母になり、真の兄弟にならなければならず、真の配偶者、真の息子と娘になることを決断しなければなりません。もちろん、これは私自身がどのくらい悟ったかを誇るためではなく、ために生きるためです。

 このような決心と決断は、1週間、1か月、あるいは1年ではなく、全生涯を通して、いやそれ以上に継続しなければなりません。真のお父様は、霊界に行かれて最初にしなければならないことが、地獄にいるすべての人たちを救うことだと語られます。これはとても重要な認識です。

 個人的な証の例を挙げようと思います。1歳上の兄を失ってしまったあと、私は、毎日早朝2時30分に起き、心と体の統一訓練をしたのですが、それは兄に対する個人的な義務であり約束でした。

 ところが、このような修練をしながら、ある時に深い疑いの心と激しい挫折感が生じました。学生と父、会社の責任者、そして、ほかのさまざまな責任を担っている人間として、この修練と祈りは愚かな行いなのではないか、実際どのような利益をもたらしてくれるのかに対して懐疑的にもなり、さらには怒りの思いを持ったこともあり、自己批判をしたこともありました。

 しかし、これは、私自身が神様と兄に対して約束したことであり、継続して修行しなければならないことだったので、自ら立てた八つの霊的修練方針について、情け容赦もなく冷静に自分自身を評価しました。その八つの霊的修練方針とは次のようなものです。

 1真実性(精誠)

 「言葉を成す」、あるいは「説教の内容を実践する」訓練です。このような真実の修養のためには、絶えず妥協なき努力と正直さが要求されます。

 2献身

 私自身と私の利己的な心を越えれば、ある超越的な存在があることを悟ります。それを継続して想起する訓練です。

 3自我正直

 慢心と自己欺瞞(どのくらい私が偉大で賢く、人々がどれほど私に感謝しなければならないかなど)の陰に隠れない勇気を持つ訓練です。

 4尊敬

 尊敬心を持って人に接する訓練です。自分に対する尊敬は、求めるのではなく獲得しましょう。

 5大胆さ(恐れないこと)

 自分が感じている恐れを識別し、それと向き合う訓練です。ここで言う恐れとは、自分自身よりほかの人をより愛さなければならないことに対する恐れであり、失敗に対する恐れ、ほかの人の中に常に希望を探し出さなければならないことに対する恐れでもあります。

 6修養

 心身統一のために絶えず挑戦する中で喜びを発見する訓練です。

 7純粋

 人に対する関心と同情心を持つことを妨げるあらゆる障害物(利己心、物質的奢侈を追求しようとする欲心、自己崇拝、自己権力の強化など)を除去する訓練です。

 8信用

 神様と真の父母様、自分と人に約束したことをきちんと履行し維持する訓練です。

 もちろん、ここに列挙した訓練項目を守れない時もあり、今も失敗する時があることを認めざるを得ません。しかし、訓練する時は、厳しく正直であろうと努力しています。私たちは、失敗することを正直に認めなければならず、そののちに初めて学ぶことができ、より心情を深めることができるのです。(中略)

 初心者にとって、失敗は混乱するものです。自分が失敗したことを認めること自体が簡単なことではありません。修練過程の中で、心が迷うと、自らを厳しく非難することもあります。失敗から再び立ち上がるためには、さらに多くの努力が要求されます。そのまま地べたに座り込み、立ち上がらないまま、適切にできなかった自分に対して非難したり、すべてのことをめちゃくちゃにした自分を戒めたりします。

 ところが、実際には、単に怠惰であるために、再び立ち上がりたくないと思っているだけなのです。地べたに横になっていることがより楽で、最低でも、つらいと思っているふりをすることができるからです。

 しかし、熟練者は、倒れればすぐに起き上がります。一瞬も霊的に油断しません。決して怠けません。初心者は、熟練者たちが失敗を認め、悟って成長し、前に進む姿を見て畏敬の念を持ちます。熟練者たちは、修練の過程で失敗すれば、すぐにそれを認めて再び修練に戻ります。心と体が分裂すれば、すぐにそれを認め、再び戻って「心身統一」に努力するのです。ただ横になって自分を憎んだり、自分を叱責したりすることに時間を使うのではなく、自分の不完全さを理解してすぐに修正に入るのです。

 責任を持っている仕事をすべて遂行しながら、同時に毎日、毎月、何年間も継続して朝早く起きて修練することについて、私が「それは簡単だ」と言えば、それはうそでしょう。毎朝目覚し時計が鳴ると、私は怠惰となまけと疑心の悪魔と闘わなければなりません。何時間寝たのかに関係なく、どのような場合でも、自分が立てた条件を決して崩さないように努力しました。修練時間を自分自身との約束にし、また神様と真の父母様、先に霊界に行った家族たちとの時間だと考えました。私たちの決心と誓約が真実なものであれば、それはほんの数日か数か月の間だけ続けるというものではなく、いつまでも継続されなければならないというのが私の信仰です。(中略)

 私たちは修練を通して必ず神様と一つになり、霊界だけでなく、肉身生活におけるあらゆることに対して役立つようにしなければなりません。これがこの修練の使命です。

 私たちは、現実的に平和と統一を成し遂げ、神様と一つになることを決心しています。しかし、これが簡単にできるという考えは愚かです。これは長く険しい道です。この道において数千のサタンと出会うでしょう。私たちを堕落の道に落とし入れるたくさんの利己的な自我と悪魔に出会うでしょう。克服しなければならない恐怖と失敗もまたたくさんあるでしょう。さあ、今から準備しましょう!

 天宙天地天地人父母様! 私たちをして、時間的制約を越え、永遠に継続する決心ができるようにしてくださり、あらゆるもののために生きることができるよう、心と体の統一のための修練をすることによって、霊界と肉界に大きく役立つよう許諾してください! 真で永遠の幸福を取り戻すようにしてくださり、すべての苦痛から解放してください! 真で永遠な平和の中で安息するようにしてください、アーメン!

 今、私たちは、修練を始める祈祷を捧げたので、これから堅固な最初の基盤を築いていこうと思います。家を建てるときのように、神様の聖殿、あるいは「心身統一」を成すにおいても、頑丈な基盤が必要です。修練を始めましょう。

 

(つづく)

タイトルとURLをコピーしました