聖書から見た波動医学―第1回 音と響きがもたらす霊的作用

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ここ数年、「波動」「振動」「周波数」といった言葉が、健康や人間の生き方に影響を与えるものとして注目されるようになってきました。

音楽療法や周波数ヒーリングといった分野も広がりを見せ、心と体が「響き」によって整えられるという考え方は、多くの人の共感を呼んでいます。

では、聖書には、このような「波動」や「振動」を示唆するような内容はあるのでしょうか。

実は聖書にも、音や響きが人間や自然に影響を与えることを示す表現が数多く登場します。いくつかの視点から見ていきましょう。

 

1. 神の言葉は「創造の響き」

聖書の冒頭、創世記1章3節にはこのように記されています。

 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。

神の言葉が発せられたとき、現実に変化が起こり、光が存在するようになったのです。

言葉は単なる情報ではなく、宇宙を形づくるエネルギーとして描かれています。

また、新約聖書のヨハネによる福音書1章1節では、次のように記されています。

 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

ここで「言(ロゴス)」は、宇宙の根源的原理を指します。

音や言葉は物理的には振動・周波数によって伝わるものです。

聖書は、その根本にある「言」を創造の力として掲げ、現代の波動的理解と共鳴する部分を持っています。

 

2. 音楽の持つ癒やしの力

旧約聖書のサムエル記上16章23節には、サウル王が悪霊に悩まされていたとき、若きダビデが竪琴を奏でると、その霊が離れてサウルの心が安らいだと記されています。

 神から出る悪霊がサウルに臨む時、ダビデは琴をとり、手でそれをひくと、サウルは気が静まり、良くなって、悪霊は彼を離れた。

これは、音楽の持つ振動が人間の精神状態に直接作用した例といえるでしょう。

現代でも音楽療法が心身の健康に用いられていますが、その原型のような出来事が聖書に描かれているのです。

また、詩篇にも、「主にむかって新しい歌をうたえ」という言葉が繰り返されています。(149編1節他)

歌や音楽が、人の霊を神に向けさせ、内面を整える役割を持っていたことが分かります。

 

3. ラッパと響き―神の顕現を告げる振動

そして、聖書の中で頻繁に登場するのが「ラッパの音」です。

出エジプト記19章16節では、シナイ山に神が降臨される場面で「雷と稲妻、角笛(ラッパ)の響き」が鳴り響き、人々は恐れ震えたと記されています。神の現れは、常に大きな音や震動を伴うのです。

 三日目の朝となって、かみなりと、いなずまと厚い雲とが、山の上にあり、ラッパの音が、はなはだ高く響いたので、宿営におる民はみな震えた。

また、新約聖書のテサロニケ人への第一の手紙4章16節には、次にように記されています。

 主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。

ここでは、終末の時、決定的な「響き」が合図となって、人類の歴史が大きく転換することが語られています。

ラッパの音は単なる楽器の音ではなく、天地を震わせる周波数として、霊的現実を引き起こす象徴的な役割を担っています。

 

4. 賛美の歌声が牢を開いた

使徒行伝16章25〜26節には、牢獄に入れられたパウロとシラスが真夜中に賛美の歌を歌っていたとき、突然大地震が起こり、牢の扉が開き、囚人たちの鎖がすべて外れたと記されています。

 真夜中ごろ、パウロとシラスとは、神に祈り、さんびを歌いつづけたが、囚人たちは耳をすまして聞きいっていた。ところが突然、大地震が起って、獄の土台が揺れ動き、戸は全部たちまち開いて、みんなの者の鎖が解けてしまった。

賛美の歌声は、人間の心を超えて物理的現実にまで影響を与えるものとして描かれています。

このエピソードは、音や波動が人間の枠を超えて「解放」をもたらすことを強調しています。

 

まとめ―音と響きの霊的次元

聖書には「波動」「周波数」という現代的な言葉こそ出てきませんが、

神の言葉が創造をもたらした
音楽が人を癒やした
ラッパの音が神の臨在を告げた
賛美の歌声が奇跡を起こした

といった数々の場面で、「音」「響き」「振動」が重要な役割を果たしています。

つまり、聖書の世界観は、すでに音や響きが物質と霊を貫く力を持つことを前提としていたと考えられるのです。

現代において、音や周波数が人間の健康や意識に影響を与えるという考え方は、決して新しい発見ではなく、むしろ古代から直感によって認識されてきた真理の一端なのかもしれません。

私たちが日々の生活で発する言葉や声、歌や祈りには、見えない波動があり、それが自分自身と周囲に影響を及ぼしています。

聖書が繰り返し語る「言葉の力」を、改めて深く受け止めたいものです。

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